神経内科 渡辺クリニック

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昼間と夜中の狭心症

 狭心症とは心臓へ栄養(血液)を送る冠動脈の血流が低下して、心臓の動きに支障が現れた状態を言います。心臓は全身に血液を送るポンプで、ひと時も休むわけにはいかない臓器なので、冠動脈からの栄養は常に潤沢に送られねばなりません。それが何らかの原因で栄養の配給が途絶えれば、不眠不休の心臓は「苦しい」と抗議するのですが、それが胸痛として襲ってくる訳です。この現象を医学的には、"心臓の虚血性変化"、すなわち狭心症と呼びます

 何らかの原因とは何でしょう? 冠動脈に異常が起こるのですから、一般的には動脈硬化による動脈の狭窄で血液が心臓まで十分届かなくなるため、心臓に虚血性変化が起きるのです。ゴム管に液体が流れる時、ゴム管の中にゴミが溜まると、液体が十分に流れなくなる状態を指します。このようにして起こる狭心症を労作性狭心症と呼びますが、これは一般に身体の活動時や情緒不安定な時に起こります。すなわち激しい運動をしている最中や、かっかイライラした精神状態の場合に起き易いといえます。このような心身の興奮状態では、心臓はより激しく収縮・拡張をせねばならず、その分だけたくさんの血液を必要とします。従って、労作性狭心症は活動時の昼間に発症し易いのです。

 一方、冠動脈の動脈硬化は軽度であるにもかかわらず、狭心症が起きる場合があり、これを異型狭心症と呼びます。異型狭心症は、冠動脈が無意味に収縮する(これをスパスムと呼ぶ)ことにより冠動脈の血流が一時停止するから起きるのです。労作性狭心症は需要(心臓の活動)が増える割に供給(冠動脈の血流)が追いつかないため起こるのですが、異型狭心症では需要は変わらなくても供給がストップしてしまうため起こるのです。異型狭心症は昼間だけでなく夜中にも起こります。これには自律神経失調が関与していると考えられています。すなわち、本来なら夜中や安静時は交感神経が弱まり副交感神経が強くなる(その結果、動脈は拡張する)はずですが、自律神経失調により動脈が収縮してしまい、狭心症が起きるのです。

 以上のように考えると、昼間に起こる狭心症はどちらでも考えられますが、夜中に起こる場合は異型狭心症の可能性が高いといえるのです。昼間狭心症が起こった場合は、どのような状況で胸痛が起きたのか確かめる必要があると思います。動脈硬化の管理か、自律神経の保護か、どちらを優先して治療すべきかが重要な考えどころです。

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