名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

52

老人姿勢とは?

 老化とともに筋肉が弱り、骨がもろくなっていきます。その結果、いつのまにか「老人姿勢」に陥ります。老人姿勢は見栄えが悪いだけでなく、転倒の原因にもなります。これから、老人姿勢の原因と、その対策を考えましょう。

 老人姿勢とは、猫背で胸がへこみお腹が前に飛び出している、あごが上がって頭が体より前に突き出ている、膝が曲がっている、などの姿勢です。色々な要素が重なり合って、このような姿勢になるのですが、一番の原因は腰にあると私は思います。

 体の軸は背骨であり、これが骨盤につながり、骨盤から二本の足が出て、体を支えています。二本の足で全体重を支えるのですが、腰の負担も大きいのです。50kgの体重の人なら、30kg近い負荷が腰にかかることになります。長年、そのような負荷がかかり続けると、骨盤が後ろへ傾くようになる場合があります。このような骨盤後傾により重心が後ろに変位するため、後ろへ倒れそうになります。これを防ぐため、上体を前に傾けるのです。この前傾姿勢のため、猫背になり、そのままでは下を向いて歩くことになるので、あごを上げざるを得ないのです。 骨盤が後ろへ傾くと、いわゆる「ヘッピリ腰」になり、やや脚を開いて膝を曲げながら歩くことになります。開脚のヨチヨチ歩きになるわけです。猫背になり膝も曲がり気味になれば、背も縮んでいきます。骨粗しょう症で身長が低くなりますが、それ以前に老人姿勢が諸悪の根源なのです。

 老人姿勢を防ぐには、腰(骨盤)周辺を支える筋肉、すなわち腹筋、背筋、大腿筋、さらに大胸筋などを鍛える必要があります。

 もちろん骨粗しょう症の予防も大切です。なぜなら骨粗しょう症により、背骨は更に曲がり易くなり、転倒した場合骨折の危険性が高いからです。骨粗しょう症には良い薬も出ていますが、何より陽に当たって歩くことが重要です。歩かないとカルシウムが骨の中に入っていかないのです。

 しっかり歩くためにも、筋肉を鍛える事は大切な訳で、やはり骨の為にも筋肉強化が必要という事になります。老人姿勢になってしまった人もあきらめてはいけません。あきらめたら、どんどんひどい老人姿勢になりついには転倒の憂き目に会ってしまいます。

 胸を張って膝を伸ばすよう意識して歩きましょう。

 出来るだけ大股でゆっくり歩いて下さい。

関連する今月の話題