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自律神経失調症は朝と夜が大切

 自律神経のうち、交感神経と副交感神経は一日のうちで正反対の動きをします。

 交感神経は朝起床時から徐々に強くなり、昼間の自律神経は交感神経優位です。なぜなら活動(仕事)しなければならないからです。ここで2つの問題が起きます。

 一つ目は朝の交感神経が急激に上昇することにより、早朝高血圧が襲うことがあります。朝に心筋梗塞や脳卒中が多いのは、このためです。血圧の高い人は、「朝はノンビリ」を肝に銘じて下さい。

 そして二つ目は夜になっても交感神経が下がらないことです。現代人はなかなか夜になっても休息を取りません。夜も仕事をやめられない、寝るまでスマホを手放さない、などです。このように下がっていくべき交感神経が、夜になっても活発に働いてしまい、夜中も血圧が高いままという状態になります。このような夜間高血圧は動脈硬化を進めてしまいます。「夜はやらない」が大切です。

 一方、副交感神経は夜間に強くなり、昼間は弱くなります。副交感神経は内臓を休ませる自律神経ですから、夜間活発にならないと内臓は休めず疲れてしまいます。ところが不眠症や夜型生活で、なかなか副交感神経が元気になれない人も多いようです。副交感神経は一旦低下すると、なかなか回復しません。副交感神経の低下は内臓病に直結しますので、このような悪循環から一刻も早く脱却しなければなりません。「夜はしっかり寝る準備」が必要です。そのためには、寝る3時間前に食事終了、2時間前に入浴、1時間前にはスマホやテレビ終了、寝る前に深呼吸をおすすめします。

 副交感神経は良眠が第一ですが、それだけではいけません。夜決まった時間に就寝するのなら、朝もしっかり起きてダラダラしていてはいけません。ちゃんとゆっくり朝食を食べて、ニコニコ散歩に出かけましょう。「朝はノンビリ」の反面、「朝はやることはやる」生活も大切です。

 以上のように、自律神経にはメリハリ、すなわち最初(朝)と最後(夜)の生活改善が必須なのです。

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