名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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自律神経失調症は年齢により違う

 自律神経失調症は恐ろしいほど多くの疾患に関連します。自律神経は内臓がちゃんと動くように調節する末梢神経です。ということは、どの臓器も自律神経失調症という内臓病が発症してもおかしくないわけです。
 自律神経失調症の発現形は各年代で異なると思います。青少年期、青年期、中年期、老年期と全ての年代に渡って自律神経失調症は悪さをすると考えられますが、その際の症状、疾患名は各年代で異なって現れることも十分考えられます。
 各年代が直面する自律神経失調症の問題点と、そのリセット法を説明していきたいと思います。その前に、まず自律神経の成長と老化について説明します。

青少年期

内臓の活動をリードする交感神経も青少年期は成長過程です。他の内臓と同じで、未成熟な場合もあります。交感神経は車のアクセルのような働きをしますが、まだ未熟な運転ように、この時期の交感神経は急に強くなったり弱くなったりします。その結果、心拍が急激に増加してフラツキ、立ちくらみ、倦怠などを訴えます。不登校の子供に多い起立性調節障害(OD)がこれにあたります。

青年期

青年期はバリバリ仕事せねばなりません。しかし中にはストレスや過重労働で仕事が続けられなくなる人も出てきます。交感神経が暴れた末に、徐々に副交感神経が弱っていきます。副交感神経は内臓を休ませる自律神経ですから、副交感神経が働かなくなると、内臓はどんどん疲れていきます。最悪の場合は過労死を招くこともあります。ドクターストップが必要かもしれません。

中年期

中年期は、そろそろ心筋梗塞脳卒中などの血管障害が心配です。この時期も副交感神経の低下が重要な危険因子になります。副交感神経を改善することが、このような致命的な病気の予防につながります。

老年期

老年期には、いよいよ認知症が迫ってきます。この時期にとても厄介なのがストレスで、その結果、自律神経に進む場合もよく見られます。そしてフレイルの予防も大切です。フレイルのため自宅でゴロゴロしているようでは、自律神経失調症も悪化していきます。

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