名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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仕事を休まねばならない時

 労働者の過重労働や過労死がよく問題になります。元来、日本人は勤勉なので、働きすぎる傾向はあると思います。我が国は資源が乏しいので、まじめに頑張ることは必要なのですが、限界を超えるほど頑張ってはいけません。しかしもっと働けるのに、怠けている人も大勢いると思います。仕事を休んで療養すべきかどうかを判断する材料として、自律神経機能検査があります。

 自律神経は内臓が円滑に動くよう調節する神経です。自律神経が失調すると、内臓にストレスが及びやすくなり、内臓が消耗していきます。この状態が長く続くと、内臓疾患が起こり易くなります。胃潰瘍、狭心症、不整脈、高血圧、脳梗塞などが起こることもあります。過労死とは、過重労働によるストレスが自律神経失調を起こし、これがこじれて内臓疾患に至り、ついには死を招いてしまう事態を言います。労働者に限らなくても、時間に追われ働きすぎの人に病気が降りかかる場合、自律神経失調症が介在していることが多いのです。

 そのような訳で、渡辺クリニックでは、生活(仕事)に疲れたため心身に変調をきたした患者さんには自律神経機能検査を行います。その結果、自律神経の異常が認められたら、生活(仕事)の制限を指導します。自律神経のうち、交感神経は内臓にムチをうつアクセルで、副交感神経は内臓を休ませようとするブレーキにあたります。自律神経失調症とは、アクセルを踏みすぎるか、ブレーキが故障した状態をさします。どちらが恐いかというと、やはりブレーキ故障だと思います。従って私は交感神経が強い場合は過重労働禁止(最低限の時間しか働かない)、副交感神経が低下している場合は自宅療養(まったく仕事から離れる)を指導します。必要な時は、診断書も書いてあげます。 

自律神経と失調症

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