名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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一楽・二合・四行・五勤・七分・万歩

 「一読・十笑・百呼・千字・万歩」が医学的に有用であると言われますが、ちょっと自分流(もくもくワクワク流)に変更して現代の養生訓を提案したいと思います。

 私が考えるに、現代の疾患の大部分はストレス、食事、運動不足により引き起こされると言えます。現代の代表的な疾患として癌、血管障害、認知症の3つが挙げられます。簡単にまとめると、「ストレスを上手に処理する脳内伝達物質であるセロトニンとドーパミンを増やすため、"もくもく"、"ワクワク"生活を行い、その結果、脳や自律神経機能を保護し、体内に活性酸素(動脈硬化や癌の元)を作らないようにする。食事は自然食品を優先し、控えめに。特に夜は美味しい物を少しだけ摂るよう心掛ける。たくさん食べ過ぎたと思ったら、その分運動する。年を取るほど薬は減らし、運動を増やす努力をする。運動はニコニコ散歩が中心である。」ということです。

 以上の背景より、まずストレス対策として、「一楽」と「五勤」を実行したいと思います。「一楽」とは、"一日に一度は楽しいことを行う"という意味です。これにより"ワクワク"します。美味しい物を食べに行こう、映画を観に行こうなど何でも良いのですが、それを考え実行することが大切です。そして「五勤」として一週間に5日は働く(外出する)ように努力するのです。家でグータラしていては心身ともに退化してしまいます。皆さんも実感されていると思いますが、倦怠感などは仕事をやり始めると、忘れてしまうものです。仕事に行くまでは面倒でも、いざ仕事モードに入ると、"もくもく"集中します。仕事がない高齢者は外出して歩くことが仕事です。ストレスは「一楽」と「五勤」で軽減されると考えます。

 次は食事の注意です。昔から"腹八分目"と言いますが、医学的には腹六文目が良いそうです。これではちょっと寂しいので、間を取って「七分」としました。どうせ少な目に食べるなら、美味しい物をゆっくり食べたいものです。そしてお酒ですが、これも"酒は百薬の長"と言われ、美味しい食事をさらに引き立たせます。しかし飲みすぎは逆効果。日本酒一合くらいが適量と言われますが、ここは少し欲張って、「二合」とさせて頂きます。「七分」の食事を"もくもく"と、多くても「二合」以内の酒を"ワクワク"と召し上がるのが良いでしょう。

 最後に運動ですが、やはり「万歩」は譲れません。一度に一万歩も歩けなくても、何回かに分けて"もくもく"と歩きましょう。散歩しながら、色々な楽しみを見つけると良いと思います。散歩の延長が旅行です。日本には四季がありますから、一年に最低四回"ワクワク"と旅行、すなわち「四行」を楽しみたいところです。

 「一楽・二合・四行・五勤・七分・万歩」いかがでしょうか?

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