起立性調節障害(OD)は成長過程の心身の発育不良ですから、成長していくにつれて収まっていくはずです。ODは半年くらいで治せます。しかし人によっては半年どころか数年以上続く場合もあります。学校を休んでいるうちに、悪い生活習慣に陥ってしまうからです。
				 夜型の生活、不規則な食生活、運動不足などで、いわゆるグータラ生活になっていってしまうのです。これらの悪い生活習慣は自律神経を悪化させます。従ってODにおける自律神経失調症の程度を調べて対応することは医学的に意義のあることです。自律神経の状態がわかったら、これに対する治療を行わなければいけません。交感神経だけが暴れている例、交感神経に加えて副交感神経も興奮している例、副交感神経が低下してしまった例で対応は違うのです。
				 自律神経失調症の治療といっても、特別な薬があるわけではありません。基本はメリハリのある生活を身につけることです。メリ(=減り)とハリ(=張り)です。メリで副交感神経を、ハリで交感神経を整えるのです。交感が暴れている例にはメリを主体に、副交感神経も強い例にはハリを適度に入れる、もし副交感神経が低下していたら(ODではあまりみられませんが)メリを徹底、場合によっては一定期間の休学を指導します。
				
				
					
						
						
							- 夜型を直す
 
							- 夜間のスマホ、ゲーム禁止
 
							- 夕食を早めに済ます
 
							- もくもく(単純)作業、運動
 
						
					 
					
						
						
							- 朝は決まった時間に起きて、体を起こす
 
							- 朝食をしっかり食べる
 
							- 食事に時間をかける
 
							- 1日5000歩は歩く
 
							- 朝の日光浴、野外活動をする
 
							- ワクワク目標、日課を作る
 
						
					 
					
				 
				 我々のクリニックでは、『MISSION』として以上のようなメリハリを指導しています。そうすれば半年で治ります。『MISSION』を続けることは、普通の児童が普通に登校して生活する場合の2〜3倍努力が要ります。しかしこれを乗り切らなければ、本当のグータラになってしまいます。頑張れ、OD患者!