名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック
私は各年代の患者さんに自律神経を調べることにしています。自律神経失調症が各年代でそれぞれの病気を引き込むからです。
まず思春期。起立性調節障害(OD)による不登校の患者さんがたくさん受診されます。一般に交感神経が過敏になりすぎて、内臓が疲れることでODの症状(フラツキ、立ちくらみ、倦怠、頭痛など)が起こるのですが、副交感神経まで低下しているとちょっと回復に時間がかかり、場合によっては1ヶ月くらい休校も仕方ないと指導します。若い社会人が仕事に行けないのもODが原因の場合があり、1〜2ヶ月の自宅療養を指示することもあります。
免疫力は20歳から徐々に低下していきます。風邪をひきやすい、いつもだるくて元気が出ない、ガンの心配が出てきたなどの人は免疫力をアップしなければなりません。その一助が自律神経調整です。副交感神経が低下していれば、活性化すればいいのです。
中年期からはメタボの管理。内臓脂肪を減らして動脈硬化を抑える努力をすべきです。交感神経が暴れると活性酸素が増えて内臓脂肪増加、動脈硬化悪化につながります。副交感神経が低下していれば、内臓脂肪や活性酸素を体外へ吐き出せなくなります。
老後はやはりフレイル(心身の虚弱化)の予防です。副交感神経低下で消化吸収が落ちて栄養失調が進み、筋肉などが減少していきます。その先には寝たきり、認知症が待っています。
認知症の予防にも自律神経は大切です。神経細胞は活性酸素により壊されますが、自律神経失調症があると活性酸素が体内に増えていきます。また副交感神経低下で栄養失調が進み、神経ホルモンが減少して認知機能が低下していくことになります。
交感神経を鎮めて副交感神経を元気にする食品は? また次にお話しします。

