名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック
私は味噌のおかげでよく眠れるようになりました。自律神経も良くなりました。内臓脂肪も減りました。腎機能も良くなりました。味噌に何か恩返しをするため、味噌にまつわる知識、話題を提供したいと思います。
大豆を発酵して味噌が出来上がるわけですが、原料の大豆は抜群に優れた栄養食品です。三大栄養素として糖質、脂質、タンパク質があり、ビタミン、ミネラル、食物繊維が補うというのが簡単な栄養素の組み合わせです。現代人に足りないのはタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維です。タンパク質は肉、魚、豆、卵ですが、その他の栄養素(ビタミンB1、B2、E、C、鉄分、カルシウム、カリウム、食物繊維)もたくさん含むのが大豆(豆)なのです。

なお小豆は大豆や落花生のような高脂肪の豆と異なり、代わりに糖質が大豆の2倍含まれます。脳エネルギーの補充にはもってこいです。また食物繊維は大豆にあまり引けを取りません。小豆と同じような低脂肪の豆類としてそら豆、いんげん、えんどうなどがあります。しかしタンパク質は大豆が一番で、小豆味噌というのもありますが、味噌にはやはり大豆が合うというのが私の意見です。脂肪が多いといっても大豆の脂肪は不飽和脂肪酸が多いので、動脈硬化を抑える働きをします。
発酵は食物を麹菌、乳酸菌、酵母などで加工することにより、食物の栄養素の効能ばかりか、味や香りをアップさせる製法です。発酵食品として味噌を始め、チーズ、ヨーグルト、パン、アルコール、醤油、塩辛、キムチ、鰹節などたくさんありますが、日本は発酵の先進国であると言えます。日本が世界一の長命国である理由の一つなのです。味噌は麹菌だけでなく、乳酸菌や酵母菌も発酵を助けるダブル、トリプルの発酵の食材で、それだけ栄養効果も優れていると言えます。

大豆にはタンパク質を始め糖質、脂質も含まれるので、発酵でアミノ酸、ブドウ糖、脂肪酸に分解されることで、それぞれの効能がより強く発揮されます。また乳酸菌も含まれ、腸内善玉菌として腸内環境を良くしますし、最近は乳酸菌が作った乳酸が脳のエネルギーになると注目されています。認知症予防にも期待大です!
豆味噌、米味噌、麦味噌は大豆をそれぞれ豆麹、米麹、麦麹で発酵させて作られます。豆味噌は大体赤味噌ですが、他の味噌は赤味噌、白味噌の両方があります。僕の好きな八丁味噌は赤味噌(豆味噌)です。一般に赤味噌の方が熟成期間が長く、濃縮されてタンパク質やアミノ酸が多く含まれます。塩分も含まれますが、赤味噌は意外に塩分が少なく、白味噌よりカリウムを多く含むので、塩分が多くても血圧が上がることはそれほど心配ありません。要するに栄養価が高く、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な大豆が原料の味噌なのですから、種類は何でも良いと思います。

食べ慣れた好みの味噌で良いのですが、私は「まるやの八丁味噌」を使っています。味噌汁は沸騰させてはいけないとよく言われますが、まるやの八丁味噌は沸騰させてもうま味が消えにくいのだそうです。ぐつぐつと煮込んでも味噌煮込みうどんをおいしいと感じるのはこういった特性からなのですね。また発酵学専門の名城大学 農学部 加藤雅士教授に分析してもらったところ、蔵ごとに味噌に含まれる微生物は多種多様で、まるやの八丁味噌にはチーズやキムチなどの発酵にもかかわる乳酸菌が多く含まれているという結果が得られました。乳酸菌は免疫力だけでなく、認知機能アップにも働きます。そういえば、最近頭が冴えます。